2017.7「駄右衛門花御所異聞」in七月大歌舞伎@歌舞伎座 感想

熱狂の親子宙乗り

盗賊・日本駄右衛門が主人公の「秋葉権現廻船語(あきばごんげんかいせんばなし)」は、西暦1761年に初演されたと言われています。

長らく上演が途絶えていたこの作品に新しく現代的な演出などを取り入れたのが、この「駄右衛門花御所異聞(だえもんはなのごしょいぶん)」。

いわゆる復活狂言ですね。

※ちなみに劇団前進座は数年前に「秋葉権現廻船噺」を上演しています。(コチラ


純粋に楽しめましたよ〜

いろいろ詰め込みすぎ感は否めませんでしたが、古典作品のような雰囲気もあり、映像を使った現代的な演出もあり、そして何より勸玄くんと海老蔵さんの宙乗りありと盛りだくさんで楽しい作品でした。


博多座で「石川五右衛門(2016.11)」を見た時には物足りなさをちょっと感じたんですが、この作品ではほぼそういう気持ちにはなりませんでしたね。もともと歌舞伎の演目としての原作があったこともあってか、五右衛門よりも見応えがあったように思います。

それに筋書きを見ると、今作に対する海老蔵さん含め制作陣の本気度が感じられました。


はい!以下、超個人的ハイライトです!


●イリュージョン感の強い早替わり

 (猿之助さんのとはまた違う感じ?)

●歌舞伎の他作品のパロディが随所に

 (全部はわからなかった…)

●坂東新吾でかい

●流血の演出が生々しくてツボ

●手水鉢からお金ジャラジャラの場面

 雙生隅田川のパロディ!?

●海老蔵演じる幸兵衛の奥さんが死ぬところは見てて辛い…
 ※海老蔵さん泣いてた?

●秋葉権現のラスボス感がえげつない

●勸玄くんを今か今かとソワソワする客席の感じウケる

●勸玄くんはよく手を振ってくれた

●時代物っぽいとこ、世話物っぽいとことか色々あって飽きない

●地上から東銀座駅に向かうエスカレーターで右若さんとすれ違った

●「やっぱりえびフィレオですよね」って声かければよかった


今の海老蔵さん自身の境遇に重なるような設定もあり、その場面でのセリフの重みがすごかったですね。。

いろんなものを背負って、いま舞台に立ってるんだと思うと泣けます。

うん、これからも応援します。。


しがない歌舞伎ファンとしてできることは、海老蔵さんの舞台を見に行くこと。

さて、明日は夜の部見ます。




七月大歌舞伎


竹田治蔵 作
織田紘二 補綴・演出
石川耕士 補綴・演出
川崎哲男 補綴・演出
藤間勘十郎 補綴・演出

秋葉権現廻船語

通し狂言 駄右衛門花御所異聞


【あらすじ】

 遠州月本家を足がかりに天下を狙う日本駄右衛門。月本家城主月本円秋を亡き者にするため、将軍家への献上品である家宝の古今集と、月本家に伝わる火伏の神「秋葉権現」の三尺棒を盗み出します。そこに現れたのは月本家家老玉島逸当。自らの命と引き換えに円秋と月本家の人々の命を救うのでした。駄右衛門の企てにより家を追われ、落ち延びた円秋の弟月本始之助、傾城花月、逸当の妻松ヶ枝は、逸当の弟である玉島幸兵衛と出会い、月本家の再興のため駄右衛門に立ち向かいます。ところが、「秋葉権現」の三尺棒の力により、妖術を手にした駄右衛門の力は強大で、天下奪取の大望成就がいよいよ目前に迫りますが、その前に立ちはだかったのは…。

歌舞伎美人より)


【主な配役】

日本駄右衛門
玉島幸兵衛
秋葉大権現  海老蔵

月本円秋   右團次

月本祐明   男女蔵

奴浪平    亀鶴

月本始之助  巳之助

傾城花月   新悟

寺小姓采女  廣松

奴のお才
三津姫    児太郎

白狐     堀越勸玄

早飛     弘太郎

長六     九團次

逸当妻松ケ枝 笑三郎

馬淵十太夫  市蔵

東山義政   右之助改め 齋入

玉島逸当
細川勝元   中車

歌舞伎美人より)


【上演時間】

発端・序幕 60分

二幕目   90分

大詰    35分


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