2016.9 秀山祭九月大歌舞伎(歌舞伎座)感想

中村吉右衛門が、養父・初代吉右衛門ゆかりの芸の伝承、研鑽をテーマに行われる「秀山祭」。

歌舞伎座の九月は、王道古典の演目を抜群の俳優陣で楽しめる、そんな月でしょうか。


今回は昼の部「一條大蔵譚」、夜の部の「吉野川」「らくだ」「元禄花見踊」を観ました。


最初は観劇のつもりはなかったのですが、急きょチケットをとり福岡から遠征しました。


目的は吉野川。とてもとても素晴らしいお芝居でした。

舞台の途中、いま自分は凄いものをみているんだ、という感覚に。

見てみたい演目だったのはもちろんですが、

何年後かに「あのとき吉右衛門と玉三郎の吉野川を見た」と言えることに、すごく価値がある気がしたんです。


劇場の集客のことだけを考えると、わかりやすい新作や話題作などをやる方がいいはず。

新しい歌舞伎ファンを作るためにも重要な取り組みですが、こうした“古典の王道”が守られていくことはもっと大事なことだと感じました。

このバランスがうまく取れれば、今後も歌舞伎という芸能は発展を続けていくことでしょう!そう考えています。


▲「吉野川」で使われる仮花道。



自分のなかで仁左衛門、吉右衛門の二人は歌舞伎の王道を行くイメージ。

こういった二人から、若い役者さんたちはもんどん芸を吸収していって欲しいですね。


七月、八月が少し変わった演目が続いていただけに(やじきた、なんて最たるもの。笑)九月はまたガラッと雰囲気が変わります。

歌舞伎座が引き締まる月、とでも言いましょうか。


いろんな演目、いろんな演出

いろんな役者がいるんだなとつくづく実感した芸術の秋でした。



それと、秋は

食欲の秋でもあり、、

ナイルレストランデビューもしました!笑

うまかった!


以下、演目と雑レビューです。

(リンクになっている演目は個別の感想ページあり)




秀山祭九月大歌舞伎


【昼の部】

■碁盤忠信(78分)

■太刀盗人(42分)

■一條大蔵譚_檜垣・奥殿(85分)
 ●吉右衛門の可愛さ爆発
 ●後半の真面目姿にギャップ萌え


【夜の部】

■妹背山婦女庭訓_吉野川(118分)
 ●両花道に人間国宝
 ●舞台美術すご
 ●空間の演出すご

■眠駱駝物語 らくだ(46分)
 ●死体で遊ぶな
 ●松緑のセリフ「不徳の致すところ(出典:中村芝翫)」

■元禄花見踊(19分)
 ●玉三郎のオーラだけでご飯3杯いける
 ●暗闇からせり上がってくる玉三郎
 ●光の演出が見事
 ●玉三郎プロデュースかな


※歌舞伎美人 本公演ページ

http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/493

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