いま28歳なので、寅さんの映画はリアルタイムでは知りません。
ですが小さい頃からテレビでもよく放送されていたので、物心ついた時から寅さんは知っていましたし、
何より古い日本映画にハマった高校生くらいから好きになり、寅さんが映画館で流れる時代を生きてみたかったと思いを馳せてきました。
まさか新作を映画館で見れるなんて。。
今も元気でいてくれた山田洋次監督や、残った俳優陣に感謝です。。
オープニング。
赤と黄色の手書きの文字でタイトルがでる。
それとともに流れ出すイントロ。
そしてここでなぜか涙が。笑
ここで泣いている20代男性は果たして全国探しているかどうか。。。
とにかくこのオープニングをいま映画館で新作の中でみているんだという感慨深さ、
そしてこの新作を作り上げてくれた俳優、スタッフの方々の込められた思い、
あとはもうよくわかりませんが、いろんな思いが込み上げてきた涙でしょうか。
今回は自身のライブでも曲をカバーしたことのある桑田佳祐がオープニングに出演し、歌唱もしています。
オープニングだけに出演するという粋な演出も好きでした。
本編には何も関係ない出演ですが、男はつらいよの世界に佇み歌う桑田の姿にグッときます。
ストーリーや設定も見事に現代に置き換えられていて見事だなーと。
それに出演者みんなが実際に歳を取っていることが何よりのリアリティです。
時折流れる過去の映像と今の姿をこうして目にしていると、これはもう実際に柴又にいる家族のドキュメンタリーのように感じました。
そしていい描き方だなと思ったのは、寅さんのことを生きているとも死んでいるとも触れないこと。
年齢の設定とか考えたら死んでることになってるんでしょうけど、そこにわざわざ言及しないのは演出だなと思いました。
時折寅さんに想いを馳せる人々の姿から、寅さんの存在の大きさも強く感じます。
思い入れもあり、とにかく個人的には痺れる作品でした。
唯一無二ですね、男はつらいよっていう映画は。
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