鎌髭:髭は自分で剃りましょう
景清:無敵・景清ワンマンショー
成田屋宗家の家の芸である「歌舞伎十八番」。
「助六」「暫」「勧進帳」などが有名ですね。
歌舞伎十八番の中でも今ではほとんど上演されていない「関羽」「鎌髭」「景清」「解脱」の4作品を一つの演目につなぎ合わせブラッシュアップした新作が「壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)」。
海老蔵が2014年、新橋演舞場で初演しました。
2016年7月の歌舞伎座では、「壽三升景清」の中から「鎌髭」「景清」の部分を抜粋して上演です。
個人的には超好み、でした。
まず、衣装や舞台美術が綺麗!
そして荒唐無稽なストーリーに、荒事のおおらかさ、ユーモアが詰まってます。
「景清」の中盤からは海老蔵のワンマンショー状態。
立ち回りの末に敵を蹴散らし、最後は巨大なエビを持ち上げ幕。
「巨大なエビを持ち上げる」って、ストーリー上は何の脈絡もないんですよね笑
冷静に考えると笑えますが、その強烈なインパクトの前には何も理屈はいりません。
自分って復活狂言が好きなのかもです。。
面白いかどうかはもちろん大事ですが、滅多にかからない演目とか、上演が途絶えた演目とか、見ること自体にすごく価値を感じるんですよね。
上演する演目が発表されると、私はまず「歌舞伎公演データベース」で上演記録を調べます。
最近はいつ上演されたか、今まで誰が演じてきたか、などを見て、自分が今回見に行きたいかどうかをあれこれ考えるんです。笑
壽三升景清
歌舞伎十八番の内
鎌髭
【あらすじ】
源氏の武将三保谷四郎は、鍛冶屋の主に身をやつし、景清を討ち取ろうとしています。そこへやって来た修行者姿の景清は、三保谷たちの計画どおり酒を所望します。伸びた髭を剃ってもらいたいと言いだした景清に対し、三保谷は絶好の機会と大鎌で首を掻こうとしますが、不死身の景清を掻き切ることができません。初めから計略を知り縄にかかるつもりの景清は、自ら身を差し出し都へと引かれていきます。
(歌舞伎美人より)
【配役】
修行者快鉄
実は悪七兵衛景清 海老蔵
猪熊入道 市川右近
下男太郎作
実は梶原源太 亀三郎
下男次郎作
実は尾形次郎 九團次
下男三郎吾
実は愛甲三郎 巳之助
下女お梅
実は梶原妹白梅 尾上右近
下女お菊
実は尾形妹園菊 米吉
下男四郎丸
実は三浦四郎丸 鷹之資
うるおい有右衛門 市蔵
かわうそお蓮 萬次郎
鍛冶屋四郎兵衛
実は三保谷四郎 左團次
(歌舞伎美人より)
【上演時間】
46分
壽三升景清
歌舞伎十八番の内
景清
【あらすじ】
六波羅の牢に入れられた景清が、まったく口を開かないため、岩永左衛門は景清の妻阿古屋と娘の人丸を呼び、二人を拷問しようとします。そこへ秩父庄司重忠が現れ、自らが景清の口を開かせると言って人払いを命じます。景清は、源氏の無能さを世に知らしめ、天下泰平の世をつくるのが望みと語ります。その言葉に重忠は、源頼朝も同じ思いであると伝えます。それを聞いた景清は復讐の念を捨て…。
(歌舞伎美人より)
【配役】
悪七兵衛景清 海老蔵
梶原源太 亀三郎
尾形次郎 九團次
愛甲三郎 巳之助
三浦四郎丸 鷹之資
阿古屋 笑三郎
岩永左衛門 猿弥
花菱屋女房おさく 右之助
秩父庄司重忠 猿之助
(歌舞伎美人より)
【上演時間】
45分
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